2019年12月06日

大学時代に参考にした・なった文献リスト その3(専門系A政治学系)

大学時代に参考になった文献について、また読みたくなった時に読めるように忘備録として記す。

今回は大学在籍中最も真剣に、質的量的共に勉強したであろう政治学の分野について。




M.ラムザイヤー、F.ローゼンブルース、[監訳]河野勝『日本政治と合理的選択 : 寡頭政治の制度的ダイナミクス1868-1932』勁草書房、2006

戦前の日本の政治について、合理的選択論の立場から描いたもの。正直この本で明治維新政府や戦前の政党政治に対する認識が変わったし、政治学に対して強く興味を抱くきっかけとなった。内容的にはそこまで難しくなく、政治学の堅い本というよりかは半ば読み物感覚で読める本。

大学時代に最も参考になった本であると言っても過言じゃない、面白い本。



M.ラムザイヤー、F.ローゼンブルース、[監訳]河野勝『日本政治の経済学 : 政権政党の合理的選択』弘文堂、1995

戦後の政治を合理的選択論の立場から描いたもの。55年体制が続いた理由が理解できるし、派閥が何故政党よりも強かったのか、自民党が何故派閥という名の「小政党の集団」と言われていたのか、そして小選挙区制を導入しなければならなかった理由がよくわかる。



名取良太「選挙制度改革と利益誘導政治」『選挙研究』17巻、日本選挙学会、pp.128-141,207

川人貞史「中選挙区制研究と新制度論」『選挙研究』15巻、日本選挙学会、pp.5-16,186

川人貞史「中選挙区制における得票率の分布」『北大法学論集 38(2)』1987、pp.341-404

55年体制(中選挙区制度の下での政党行動)についてはこちらも大変参考になった。川人さんが富山生まれであることをまとめている最中に知った。



川崎修、杉田敦『現代政治理論[新版]』有斐閣、2012

政治学を勉強し始めた段階ではあたりがハードなので難しい。正直、この本に書いてあることを理解できるようになることが、政治学をある程度(政治学概論(入門)レベルで)理解したことなのだろうとさえ感じる。

お好みで加茂敏男ら『現代政治学 第4版』有斐閣、2012を一緒に読むと良いのかも。こちらは川崎・杉田よりあたりは易しめ。



久米郁夫ら『政治学 補訂版(NLA)』有斐閣、2011

政治学の網羅的な教科書。550ページぐらいある。

国際政治の領域にもページを割いているためか、これで足りるようで足りない。各章末にある文献案内も読むべきなのだろう。

持っていると安心するお守り的本。新版が出たら更新したい。



永山博之、富崎隆、青木一益、真下英二『政治学への扉』一藝社、2016

2019年現在、大学の政治学の教科書に指定されているもの。網羅的教科書その2。

久米ら『政治学(NLA)』の半分ぐらいなので各章の内容は厚くはないが、高校の政治・経済の教科書の延長のような本であるので非常にあたりが柔らかく読みやすい。政治学を学び始める入り口段階では有意なのだろうが、ある程度学んだ段階だと物足りなさを感じる。章末に文献案内があるので、それで適宜補ってくれという感じなのだろう。



田口富久治ら『[講座]現代の政治学』シリーズ(全3巻)、青木書店、1994

期末試験に役立った。



岡沢憲芙『演習ノート 政治学』法学書院、2011 

論文試験の答案作成にあたり、作り方、話の持っていき方など大変参考になりました。これがなかったら単位怪しかったかもしれない。



盛山和夫『権力』東京大学出版会、2000

権力とは何か?という本。政治学は権力とは何か、という題から始まったのでその参考に読んだ。全部読めてない。



ユルゲン・ハーバーマス『公共性の構造転換―市民社会の一カテゴリーについての探求』

市民社会論の本。ハンナ・アーレントの本も読まないとなぁ、と思っていたら卒業が迫っていた。



マンサー・オルソン『集合行為論:公共財と集団理論』ミネルバ書房、1996

利益集団(圧力団体)についての本。極端な話なのかもしれないが、この本を読んでから、人間は何れかの利益集団に属しており、所属集団の利益獲得のための行動・発言をしているのではないか、と疑うようになった。

考え方について影響を受けた本。



伊藤修一郎『政策リサーチ入門―仮説検証による問題解決の技法』東京大学出版会、2011

政治学や公共政策学というよりも社会科学全般についての問題設定の仕方、研究のやり方について学んだ。政治学の分野では久米郁夫『原因を推論する』有斐閣、2013スティーブン・ヴァンエヴェラ『政治学のリサーチ・メソッド』勁草書房、2009、 ゲーリー・キングら『社会科学のリサーチ・デザイン』勁草書房、2004も有名だが、それらは読んでない。

QC活動や生産管理業務に活かせそう?




■追伸


科目としての政治学は4単位しかなかったが、その3倍、12単位分ぐらいは勉強したと思っているし、実際にES・履歴書の大学で一番学んだ、得意な科目の欄にはゼミの研究を差し置いて、政治学と書いた。

社会人になっても政治学に接して学んでいきたいし、学士入学や修士も考えている。


卒業までに真剣に学べたと思える教科が一つあって良かった。
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2019年11月29日

大学時代に参考にした・なった文献リスト その2(専門系@)

大学時代に参考になった文献について、また読みたくなった時に読めるように忘備録として記す。
今回は専門系。



中谷巌『マクロ経済学入門』日本経済新聞出版社、2007
非常にわかりやすいマクロ経済の入門書。マクロの授業はほとんど行かなかったが、これを読んだ上で教科書を読み解いたところ単位が取れた。マクロ経済の知識が必要であり、振り返りが必要になった時は必ず読みたい。


新藤宗幸『行政指導:官庁と業界のあいだ』岩波書店、1992
行政学の本というよりも政治学よりな気がするが、行政指導とは何か、功罪はどこで、何が問題か、という事柄を他の行政指導の本と比べて(新書であるからかもしれないが)割りと平易に書いてあるので理解しやすかった。小説感覚で読めた本。


イツァーク・ギルボア『意思決定理論入門』NTT出版、2014
意思決定(選択)について書かれたもの。自分も含めて、人間の選択がどのような経緯を経て行われるのか、それを考える上で参考になった。同著の『合理的選択』より平易。


イツァーク・ギルボア著、松井彰彦訳『合理的選択』みすず書房、2013
合理的選択について書かれたもの。ミクロ経済やゲーム理論を学んでから読んだ方が絶対によさそう。そこら辺の知識が足りていないせいであまり読み進められていない。


橋本茂『交換の社会学―G・C・ホーマンズの社会行動学論』世界思想社、2005
5つの一般命題から考える対人関係、人間の選択をまとめたもの。社会学を専攻していなくても読めて、非常に面白い。対人関係で困ったときは『交換の社会学』を読み返して解決の糸口を得たい。


秋葉悦子『「人」の始まりをめぐる真理の考察 : initium vitae』毎日アースデイ、2010
秋葉悦子『人格主義生命倫理学 : 死にゆく者、生まれてくる者、医職の尊厳の尊重に向けて』創文社、2014
刑法総論の参考文献として読んだ。著者が刑法の授業を担当されていたが、刑法というよりも倫理学の授業であったように感じる。氏は上智出身であり、バチカン生命アカデミーの理事を務めるなど、カトリック(キリスト教)の倫理観から刑法を見ているようである(実際に本の中で述べている)が、倫理と割り切って捉えればそんなものかとも思える。
生命倫理を考えるときに読み返したい。



■追伸

専門系も多くなったので分割。
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2019年11月28日

大学時代に参考にした・なった文献リスト その1(教養系)

大学時代に参考になった文献について、また読みたくなった時に読めるように忘備録として記す。
書き留めていく内に多くなったので、教養系と専門で分けて記すことにする。今回は教養系。



和田直也・今村弘子 編著『自然と経済から見つめる北東アジアの環境』富山大学出版会、2009
総合科目「日本海学(環日本海)」で教科書として使われていたもの。文理横断型の科目の教科書であり、富山のこと、環日本海のことについて広く知れた。
2018年に増補改訂されている。


中村廣治郎『イスラム教入門』岩波書店、1998
西アジアかイスラムの歴史と題された教養科目の参考書として利用。ムスリムに対する見方は変わった。六信五行は暗記した。


和辻哲郎『偶像再興・面とペルソナ : 和辻哲郎感想集』講談社、2007
この感想集がすこぶる面白かった。哲学者でも駆け込み乗車をすると知って、哲学者にも人間性を感じた。「面とペルソナ」、「生きること作ること」、「自己の肯定と否定と」などが収録されている。「自己の肯定と否定と」はまさしく自分の通ってきた道だと思った。


戸坂潤「読書家と読書」『読書法』
「読書家と読書」は読書について述べたもの。読書は他人の言葉を借りるために読むものではなく、自分の考えを豊かにするためだと確認、再認識させられた。


ショーペンハウアー著、鈴木芳子訳『読書について』光文社、2013
戸坂潤の「読書家と読書」『読書法』のおそらく元になったの本。題の通り、読書について書かれた一冊。
読むこと以上に考えることを重要視しており、その視点から乱読は健康上にも良くないから読書(のし過ぎは)やめるべきと主張している。
大衆作品を一括して「悪書」の如く評しているのは賛同できないが、読書とは何のためにあるのか(精神の栄養補給)という著者の考え方には共感した。


ナタリー・サルトゥー=ラジュ『借りの哲学』太田出版、2014
大人の道徳の教科書という印象。作者がフランスの方なので仕方ないのではあるが、西洋のキリスト教的価値観から語られている部分が多いため、あまり馴染めなかった箇所も少なくない。また、一定数存在するであろうフリーライダー(本書でおけるところの「機会主義者」が適当だろう)に関しては、その悲劇性を語るだけであり、対策については語られなかったのは物足りなさを感じざるをおえない。
ただ、本書全般に関しては十分に面白いと思える内容だったので満足はしている。



渡辺健介、matsu『世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく』ダイヤモンド社、2007
主に高校時代に参考になったが、大学でも読んだ。続刊もあるがそちらは読んでいない。
高校時分に参考になった本はこれぐらいしかない(記憶がない)のと比べると、大学では今後の人生を歩んで行く上で参考になった本が多いようで。大学時代は本に恵まれていた、と言えるかもしれない。




■追伸

専門科目は後日。
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