2018年06月09日

『響け!ユーフォニアム』の「特別」という概念の小ノート

小説『響け!ユーフォニアム』シリーズに頻出する言葉である「特別」。その概念に関する小ノート。
いつか同人に出したい。

『響け!ユーフォニアム』は特別を巡るお話である。(と理解している)
ナンバーワン的な特別はその参加・所属するコミュニティや社会での客観的評価によって形成されるものである故に、そこでのみ通用するものであり、そこから一歩抜ければそうではなくなる。しかし、オンリーワン的な特別は個人の価値観により形成されるものであるので、個人との関係が続く限り、またその個人の価値観が変わらない限りは永続的である。
(価値の依存先が社会にあるか個人にあるか)

結論としては、ナンバーワン(客観的特別)よりもオンリーワン(主観的特別)が良いよね、というもの。

その最たる例としての『リズと青い鳥』。
鎧塚みぞれにとって傘木希美は主観的特別であるが、希美にとってみぞれは客観的特別であった。
その認識のギャップが2人の関係性を動揺させた。
(みぞれは希美の主観的な特別が欲しい(自分の「特別」を認証して欲しい)。希美はそれを知らずに、みぞれを客観的な特別と捉え続けており、それをコンプレックスに感じ、みぞれからの言葉もバイアスが掛かっている(捻じ曲げられている)。)



・把握方法による類型
客観的特別:データ(数値・順位付け出来る・される能力)による理解・把握。
主観的特別:個人の価値観(感情など)による理解・把握。

 

客観的

特別でない

特別である

主観的

特別でない

普通

(客観的に)特別

特別である

(主観的に)特別

超特別?

<表:特別の分類>

主観的、客観的のいずれかを満たせば特別であるが、その両方を満たす特別とは何か?
客観的特別になることは、イコールとして主観的特別になりうるのか。(その逆もありえるのか?)
=ほぼ不可能。社会における特別な存在が、自分にとって特別たり得ない。そこに価値を置いていないから。
(『ヒミツの話』での大学卒業後を想像した小笠原晴香が好例だろう)

・状態による類型
「である」:現在
田中あすか…高校・吹部という社会における評価(学力、演奏力)による、客観的特別
「なる」:未来(将来)?
高坂麗奈 「称賛されたい」客観的特別?
(「だった」:過去)
斉藤葵…中学校時代の「勉強も部活もできる」客観的特別。しかし、高校では(客観的な)特別にはなれなかった。通用していた社会からの退出と、参加した新しい社会における別の特別な存在(田中あすか)の出現による。



(客観的な)特別になることは、本当に幸せなの? 称賛を浴びることは良いことには間違いないにせよ、幸福であるの?
自尊心を満たすだけの、空虚なものではないの?



これらの問に対して明確な答えを出すことが出来るのだろうか。



■追伸

C93あたりから延々考えていたもの。特別って何?
多分誰かがやっているだろうし、n番煎じであることは想像に容易いが、自分の中での整理を含めて、『響け!』中の「特別」について書いていきたい。
夏コミにサークル参加してれば出そうかな思っていたが、今夏は参加しないのでいつか出しに行きたい。
posted by ふおん at 23:48| Comment(0) | 小ノート