2023年12月04日

「君はランドセルガールを見たか、僕はいつか家庭を持ちたい」 映画「青春ブタ野郎はランドセルガールを見ない」の小感想、他。

週末、ランドセルガールの映画を観てきたので、その雑多な感想。
(一部重大なネタバレ含む)

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「ランドセルガール」自体の感想は原作を読んだ時と変わりがないので省略。

一つだけ取り上げるとすれば、これまで。何故「夢を見ない」なのだろうか不思議に思っていたが、梓川咲太にとって今まで体験してきた、見てきた“夢”(=思春期症候群)は悪夢で間違いないのだろうけど、それを経験することによって得てきたものまでは否定出来ない、したくないから「見ない」なのだろう、と。



映画の感想を一言で言い表すならば、「いつか家庭を持ちたい、持てるようになりたい」。
観終わった後、暖かな気持ちになる作品だった。最初に観た金曜日は冷たい風が吹き付けるような日であったが、終わって外に出るとポカポカしており、身も心も温まった。

前作「おでかけシスター」を観た時に、梓川夫妻(桜島夫妻)のお話だ、と感じていたが、今作も夫婦感に溢れる作品で、二人で幸せになって欲しいと強く感じた。

麻衣さん、今作も綺麗でした。咲太の部屋のシーンで描かれる横顔が素敵。
アニメを見ていたときはそこまで感じていなかったが、なんか映画を見るのを重ねていくにつれて、麻衣さんの魅力に引き寄せられている。これは国民的女優。

赤城郁美さんがどストライクだった。圧倒的なメガネ美人。下校中、咲太から逃げるようにトテトテと踏切から七里ガ浜駅に向かうシーンが、今作のハイライトと言っても過言ではない。

スイートバレットのライブが描かれていなかったので、づっきーの出番は宜なるかな。
まぁ、大学生編やるしええか!


物販ほか
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〈パンフレット(豪華版)〉
ドラマCDがついている。

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〈クリアファイル〉

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〈ハンドタオル〉
実用性があるので購入。

「婚姻届」や「梓川母ノート」、「咲太の手紙」も物販されるかと思ったがなかった。

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おでかけシスターのサントラを聴いて
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〈おでかけシスターの円盤〉

「おでかけシスター」を観終えた時、映画の中で流れた「ミューズになっちゃう」と「オトメノート」を準備したんだろうなと思った。実際に、大学生編の制作が決定したのでその通りになったわけであるが、この2曲を聴いた限りでは原作中の記述(具体的には作中終盤の八景島のライブシーン)を考えると、これで終わりではなく、まだ曲が出てきそうな気がした。
ソロを歌い上げるシーンは既存の4曲(先述の2曲と「SweetBulet」と「BABY!」)では無理なのではないかな。



■追伸

映画全体を通して、家族って良いなぁ、いつか自分も持つことが出来たら良いな、と思ったり、梓川母とのシーンには涙なしにはいられなかった。家族(家庭)というものにとても強い憧憬の念を抱いた。
だけどそれは、自分が母親という存在をほとんど知らないまま学生時代過ごしてきたからなのだろうか、とも感じた。(小学校の前に死別してるため)実母から弁当を手渡される経験は一度もなかったし、高校生の時に会話することもなかったので、無いものをねだるような行為として欲しているのではないか。
家庭を持ちたいという感情は、本心からなのか、それともそうでないのか。作品とは関係の無い部分で少し思うところがあった。
タグ:映画 青ブタ
posted by ふおん at 06:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想・随筆

2023年08月08日

響け!ユーフォニアムのアンコン編映画を見てきた。 #ユーフォ_アンコン感想

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7日雨のち曇り。有給を取得して、三宮のキノシネマ神戸国際へユーフォアンコン編の映画を観に行く。


感想(3年生編のネタバレ含む)
冒頭、オーメンズ・オブ・ラブが流れて最・THE・高になった。いきなり楽しくさせてくるのは反則だと思う。応援上映ならぬ手拍子上映があったらぜひ参加したい。しんみり?するシーンで手拍子が小さくなったり、最後手拍子して良いのかよくわからないところで、ぐたってしまったりするところを劇場で再現したい。

劇場の音響で聴く吹奏楽は良いね。生の吹奏楽はもっと良いけど。
1期、2期のセルフオマージュだよなぁ、というシーンがいくつかあり、そのシーンが思い浮かんできて2度美味しかった。
ハンカチ、ユーフォくんキーホルダーがさり気なく登場しており、販促に余念がなかった。
高坂麗奈の左右に揺れる後ろ髪、腰つき等大変セクシーでした。
久石奏嬢がいちいち可愛い。シュッシュッとボクシングのパンチをを食らわす動作なに?かわヨ。
EDの手前でアンサンブルメンバーの集合写真が流れたが、実際の吹奏楽部定期演奏会のプログラムに掲載されているようなもので、凄く良かった。堺万紗子さんがアイドルしてた。
と同時に、1期最終話のEDみたいにエンドロールと同時にしなかったのは何故なのだろうと思った。尺稼ぎ、ではなくスクリーンいっぱいに彼・彼女たちの姿を見せたい、という制作側の視聴者に対するサービスと受け取っておく。粋だねぇ、いなせだねぇ。

原作のアンコン編で3年生(南中の4人)が登場していた記憶がない(だけかもしれないけど)中で映画では登場していたり、上記の部員(メンバー)写真の見せ方であったり、今回は特に既存のファン向け映画ということを強く感じた。優子先輩と夏希先輩の喧嘩?シーン(わざわざギャラリーまで追加してる)や、職員室での高坂麗奈の表情等、そういえばそうだったよねと関係性を再確認するような部分含めて。

英雄的なシンバル(EPIC CYMBAL)でお馴染みの井上順菜さんが活躍していて感動した。そんな声(喋り方)だったんだ。専任のCVが付いているだろうとエンドロールを心待ちにしていたが、何故かそこには名前がなかった……。原作の3年生編では大阪市立大学に進学希望を発言しているぐらいしか記憶にないので、仕方ない気もする。
対象的につばめさんにはしっかりCVがついていて、3年生編でしっかりストーリーの絡んでくるだけある。

その他としては1年生の名前と声がすっかり忘れており、特に2期を見返す必要があると感じた。原作も読み返さないと。

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<劇場限定版のレコードジャケット風サントラ>

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でかい。置き場所に苦労している。
3枚組のCDのうち、DISC1に収録されているオーメンズ・オブ・ラブは大変楽しい。手拍子を打ちながら聴いている。
久美子らチーム高坂の打管八重奏で演奏していた「フロンロライン〜青春の響き〜」も良い。
DISC3には1期(2期も?)のサントラに収録されていた曲のウィンドオーケストラアレンジが収録されており、これが素晴らしい。吹奏楽アレンジを聴いてみたかった自分にとってはこれ以上ないものであった。

サントラに関しては通常版もあるので、大きくて置き場所に困る人は普通のが良い方はそっちを買ったほうが良いかもしれない(劇場版が約8000円にたいして4000円ちょいぐらいで安いし…)。劇場版と通常版の違いは、レコードの形状ぐらいしかないのではないか?



追伸

個人的にはユーフォ世界と吹奏楽を楽しめて大変良かった。3期に向けてユーフォ分をチャージできたのではないかと思う。
映画視聴後、CDをぱっと買えるようになったのは、社会人になったおかげだと思う。学生時分では無理だったな。

一点だけ言うとすれば、劇場パンフとフォトブック、メンバーカードセットを入手できなかったのが残念でならない……
posted by ふおん at 00:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想・随筆

2023年07月17日

『青春ブタ野郎』と私。その2「『ランドセルガール』を読み返して。『青春ブタ野郎』が夢を見ないことについて」

7月に発売された青ブタ最新刊『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』を読んでいて、9巻から11巻(『ランドセルガール』、『迷えるシンガー』、『ナイチンゲール』)の話の内容がすっぽり抜け落ちていたので、読み返すことにした。

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うち、『ランドセルガール』を読み終えたので、読み終えた当時感じて行動したことと、今感じていることを書いておく。



当時の感想
よく分からなかった、というのが当時の率直な感想だった気がする。
ブクログにも感想の記録が残っていないので、本当によく分からなかったのだと思う。

ただ、1巻から9巻までを読んでいて、大切なのは登場人物の彼、彼女たちが直面した問題(事態、事象)について、どう考えて、そしてどのように問題と折り合いをつけていくのか、それを見るべきなんだと思う、と書いていた。


これに関しては今も変わっていない。

折り合いをつけながら大人になっていくものと感じたので、当時自分が抱えていたこと(留年していること、前年来ていなかったこと、実はゼミ2年目であることなど)、そして無事に1年間過ごせたことを当時所属していたゼミの仲間に伝えて、感謝を伝えることが出来た。
正直なところを言えば、言った事によって相手に気持ちを押し付けていないか、という恐れや不安はその当時も抱えていたし、今も時々、その時にゼミの仲間に言って良かったのだろうか、と思う瞬間もあるのだけれども、自分の問題に対して折り合いをつける、という意味においてはその選択しかなかった、とも思っている。
気持ちを押し売り、気持ちを押し付けた部分も確かにあったが、そうしないと解決できない問題もあるのだと。

この一歩があったからこそ、就活においてボコボコになりながらも踏ん張れて、今があるような気がする。
人生におけるターニングポイントだった出来事の一つ言っても疑いの余地がない。



「『青春ブタ野郎』が夢を見ない」ことについて
なぜ、ランドセルの少女(小さな麻衣さん)が出てきたのだろうか。
当時謎だったが、今はっきりと言えることとしては、彼女は(ナイト)メアなのだと思う。
少女が麻衣さんの姿かたちをしていたのは、咲太にとって一番身近な女性が桜島麻衣だったからであって、それ以上の意味合いはないのではないかと考える。夢の中に「女性」という存在が現れて、咲太の心理の中で「女性」に一番結びついている存在が麻衣さんだったから、女性(少女)を麻衣さんと認識した(のように見えた)。
「ランドセルを背負った少女の姿」に関しては、断定して言えることはないが、恐らくは桜島麻衣だと確定させないため、なのではないだろうか。
(※ただし、作中では「咲太自身の幼さを表現するために少女の姿をしている、容姿が麻衣さんなのは素直に会話しやすくするため(大意)」と咲太が自身が考えている描写があることは念のため。『ランドセルガール』p.221)



これらを考えているうちに、もしかして「『青春ブタ野郎』シリーズ」の物語自体が、梓川咲太にとってのナイトメアなのではないかと考えるよう至った。
思春期症候群を引き起こす人物が主に女性であるという点においても、共通である。
だけど、なぜ「青春ブタ野郎は夢を見ない」のか。

それは、各ヒロインが発現する「夢」(思春期症候群)そのものはナイトメアではあるのだけれども、それは咲太にとってはナイトメアではないと考えているから、否定形の「見ない」になっているのである。

「麻衣がいるだけで、咲太は幸せだった。でも、咲太はもう知ってしまった。理央や佑真がいてくれた方が心強いことを。朋絵やのどかがいた方が、笑いが絶えないことを。花楓がいた方が、がんばれることを。」(『ランドセルガール』p.263)

咲太は思春期症候群を通して数多くの難問に直面したが、同時に人物と知り合うことが出来た。
思春期症候群なんかに巻き込まれず過ごせていたほうが良いかもしれないが、その後を知ってしまっている以上はなかったことには出来ない。だから、「青春ブタ野郎(梓川咲太)」としてはナイトメア(夢)を見ない、見ていない(ナイトメアではない)と否定しているのである。

もしかして、『ランドセルガール』で物語は一応完結していたんじゃないか……?



ランドセルガールの物販・来場特典?
「かえでノート」みたいな感じで……

公開日は12月1日(金)。頑張ろう。



追伸
『ランドセルガール』の映画公開が12月1日に決定したと、電撃の公式放送内で発表があった。

『おでかけシスター』ので描かれていた卵焼き以上の甘く温かい空間が、『ランドセルガール』では描かれることは必至である。
これが一番の楽しみかもしれない。
あと原作では地味にづっきーも出てくる(pp.89-90)ので、映画で描かれるのかも必見。


・出典
鴨志田一『青春ブタ野郎はランドセルガールの夢を見ない』KADOKAWA,2018.
タグ:映画 青ブタ
posted by ふおん at 01:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 感想・随筆