昔から緑と赤系の色の識別が苦手だった。年長〜小1の頃に、示された色(確か緑だったような……)を上手く答えられず、今は亡き父に「色盲なんか!?」ととても驚かれた記憶が今も脳裏に焼き付いている。
ただ、特定の色が隣接する時に識別が少し難しいだけなので、日常生活において支障はなく、また私の年代から4年生時に行われる色覚検査がなくなったため(現在は希望者のみだが復活している)、自分の見えている色が「異常」と判定されることも無ければ、感じることもなく、若干見分けづらい色の組み合わせがある程度の認識できていた。
しかし昨年、鳥取で行われたカターレ富山とガイナーレ鳥取の試合を見ていた際に、ハーフタイムになるまでピッチでプレーする鳥取の選手のユニフォームがオレンジ色のように見えていた。なんら疑問を持つことなくオレンジのユニフォームだ、と感じていた。
だが、何かがきっかけで緑だと気付いた(気付かされた)時、もしかすると自分の色の見え方は「若干見分けづらい」レベルの話ではなく、それこそ本当に色弱(色覚異常)なのではないか、と疑問に思うようになった。
そして時間があったので眼科を受診。
まず、Twitterやネットでよく見る石原式色覚検査を受けたが、頑張って数字らしきものを答えていたが、そのうちまったく数字が見えないものが何枚も続けて見せられ、答えられないと回答していた。ひょっとしたら数字が存在しないものもあるのではないかと思ったが、後で結果を見せられた時に数字が存在していた。
続いて、色相配列検査(D-15テスト)なる15色を似た色の順に並べ替える試験を受けたが、なかなか手強く、2回検査したがかなり迷って(時間をかけて)終えた。
色相配列検査を終えた段階で検査の方に「大分迷われていたので異常があると思います」と言われ、どんな程度なのかと伺うと「少なくとも中程度以上」とのこと。あっても軽度だと思っていたので、意外と深刻な結果だった。
検査の後、医師からの説明があり、石原式および配列検査の結果より2型色覚異常(3原色のうち緑色が感じにくい)だと診断される。
結果を見せてもらったが、石原式の結果は散々で10問以上間違えていた(1・2型色覚異常を判定?する問題は全て外していた)し、色相配列試験の結果は通常の者ならば線が円を描く結果がでるが、線が上下する(ギザギザ)の結果で、これは2型色覚異常の特徴とのことだった。
これは先天性のもので、劣性遺伝子から受け継ぐものなので母方から受け継いだ遺伝であること、また結婚して子を設けた場合に子どもには発現せず、子が女の子の場合に孫が男の子だった時、50%の確率で発現するとの説明もあった。
色覚異常という診断を受けたが、昔から診断こそ受けてはいなかったが、薄々感じてはいたので「そっかーそんなものか」程度の受けとめである。
また、私が独我論的世界観の中で生きており、自分が今見えている世界は他人からすると違って見える(例えば自分が赤色と認識している色が相手には私の中での青色で認識している(それを「赤と」お互いによんでいる))かもしれない、と考えて生活していた中で、実際に色の見え方が違っていたと知り、考えていたことが現実になりとてもワクワクしている。
他方で正常の色覚を持つ人間が見ている色、”正常な”色というものにとても興味を惹かれた。どういった色の世界で見えているのかとても気になった。
仕事にはほとんど影響がないので生活に支障はなく、診断後も診断前と同じ日常が続くのであるが、(普通から見れば)私は違った色の世界の住人であることに少しの興奮と、またユニバーサルカラーデザイン(UCD)を勉強して似たような境遇の方にも配慮したものを作成したいとより思うようになった。
■追伸
大きな病院や他の検査器具(アノロマスコープ)がある病院ではもう少し詳細な検査・診断が出来るとのこと。
余裕がある時に行ってみてもいかも知れない。
青系の色を好んだり、ダークパターンが好きなのは、少なからず色覚異常の影響がありそうである。